R2 鈴鹿サーキット P.P.獲得!!

2003.5.10〜11 天候:雨 路面:ウェット 気温:17.2℃ 観客動員数:12,500人
予選:P.P. 決勝:2位 テレビ:5月29日 22:00〜23:30 スカイパーフェクTV Ch.300


ポール獲得インタビューを受ける織戸と、車検のために運ばれるADVAN PORCSHE(Photo by Yazoo)


●5月10日予選
 前回、仙台での不具合を解決すべく4月30日に富士スピードウェイでテストを実施し、主に空力面を見直して今回の鈴鹿に臨んだ。また、予選でのタイヤ規定が変更され、午前中に1セット、午後に1セットを使用できることとなった。そして、午後の予選で使用したタイヤを決勝のスタート時に装着しなければならない。
 予報では、週末は天気が崩れると発表されていたが、まだなんとか雨は降らずに持ちこたえていた。そんななかで、午前中の予選が始まった。織戸がまずはコースイン。丁寧にタイヤを温めてタイム計測に入るが、1周6キロという長い鈴鹿サーキットで完全にクリアラップは取れず、3箇所で他車にひっかかるが、2’13”881という好タイムをだして、エンドレススカイラインに次ぐ2位につけた。また羽根は、決勝をシュミレーションしながら10周ほど走行してマシンの仕上がり具合の確認をおこなった。
 そして、いよいよ午後の予選を迎えた。上記のように、午後の予選で使用したタイヤが決勝のスタートタイヤとなる為、レースに向けて各チームともできるだけタイヤを温存したいので、特別な事情がない限り計測1周で予選を終える。しかし、今回はエントリー台数が多いために、織戸が走行する1クラス、2クラス、N+クラスの走行時間帯(12:20〜12:40)には、25台の車両がタイムアタックを行いコースが混み合う。そこで、織戸は天を仰いで、雨は降らないと確信して全車両の混走の時間帯13:00〜13:20という3つに分けられた最後の時間帯を、あえて選択することにした。つまり、各自の走行時間帯で予選を終えた車両は、あえて走行しないだろうと考えた。12:20に開始されて、各車が次々とコースインしていく。織戸は、天候の急変に備えて、いつでも予選に参加できるよう準備してマシンに乗り込んでタイミングモニターをマシンの中からじっと見ていた。まず、12:25にCRT-PIRELLIポルシェが動いた。そして、12:27にはスカイラインの2台がコースイン。CRT-PIRELLIポルシェは、2’14”789を出してピットへ戻る。そして、エンドレススカイラインが2’13”126を出して暫定ポールポジションへ。JMCダンロップGT-R・EDが2’13”394を出し暫定2位。12:29にはPCJADVAN PORCSHEが、12:31にはランドリーOGBアドバンGT3がコースイン。午前中に13秒台を出した織戸のターゲットタイムは12秒台後半のため、織戸は落ち着いてモニターを見ている。そして、12:36に最後の1台のFALKEN PORCSHEがコースインする。2クラス、N+クラスも全車アタックして、24台が予選を走った。織戸は走行せずに予定通りに混走の時間帯を待った。そして、3クラス、4クラスの走行時間帯も21台の全てが走り、いよいよ13:00になった。織戸の名前はタイミングモニターの一番下に刻まれたままだ。5台ほどが、車両の確認の為にコースにいるが、13:05にいよいよコースイン。
 計測1周目には、1コーナー進入のブレーキで車両の挙動が乱れ危うく、片輪をダートに落とすが上手くリカバリーして、2周目に仕切り直しとなったが、やはり1コーナーのブレーキで車両が安定せず必死にコントロールする。しかし、目標には届かなかったが、2’13”059を出してポールポジションを獲得した。


(Photo by Yazoo)

●5月11日決勝
 予報通りに雨となった。深ミゾタイヤを選んだ織戸は、14:06にスタートが切られたが、序盤から飛ばしていった。浅ミゾを選んだ2位のエンドレススカイラインをどんどん離していき3周目には、早くも+10.3秒のリード。路面状況とタイヤが合わないエンドレススカイラインを6位からスタートしたFALKEN PORCSHEが抜いて、織戸に迫ってくる。10周目の時点で織戸は5.8秒のリード。織戸は、2分30秒台でトップを走行しているが、雨量が減ってきたために、タイヤは徐々にグリップを失ってきていた。また、エンドレススカイラインは逆に2分27秒台で追い上げを開始してきた。
 21周目には、2位FALKEN PORCSHEとの差がついに、1秒以下になり、24周目の1コーナーで抜かれて2位へ。その時、3位のエンドレススカイラインは12.8秒後方に。27周目にはエンドレススカイラインに抜かれ3位になった直後、かなり、雨量が減ってタイヤが厳しい状況となっていたため、2コーナーでグラベルへはみ出してフロントスポイラーのリップを失ってしまった。そして、28周目にターボで燃費のきついエンドレススカイラインがピットイン。時間短縮の為にタイヤ交換はしないで、レースへ復帰。織戸は、フロントの空力が乱れた車両でなんとか、周回を続けるが、乾きかけた路面を走行してすり減ったタイヤに追い打ちをかけるように雨足が再び強くなってきてタイムは2分35秒台に低下。

 そして、39周目にピットイン。羽根は深ミゾのタイヤを装着して71秒のストップでコースへ出ていった。この時点で1位のFALKEN PORCSHEからは-32.8秒、ピットインで3位になったエンドレススカイラインには+16.6秒のリード。そして、41周目にFALKEN PORCSHEがピットイン。フロントタイヤを交換しないで57秒の作業でコースへ復帰するがピット作業で2位になる。羽根との差は-26.5秒に縮まった。前後バランスが崩れたFALKEN PORCSHEのペースが上がらず、羽根は快調に差を詰めていき、47周目のスプーンコーナーでついに、2位のFALKEN PORCSHEの後ろにマシンをつけた。そして、48周目の1コーナーでイン側から抜き2位へ浮上。1位スカイラインとの差は1分35秒。かなりの距離を走った浅ミゾのレインタイヤの為ペースが上がらないスカイラインを必死に羽根は追い上げ、55周目にスカイラインがピットへ入った時点で1分13秒差まで詰めていった。69秒のピット作業でスカイラインはピットを離れたが、その間に羽根がついに26秒のリードをつけてトップへ躍り出た。32〜33秒台で滑るマシンを操りながら、必死で羽根は逃げるが、徐々にフレッシュなタイヤを付けたスカイラインが迫ってきて、残り9周の73周目にはついに背後にピタリとつけられてしまった。そして、74周目のシケイン進入でオーバーランしてしまい、首位をエンドレススカイラインへ明け渡した。しかし、羽根も必死に追い上げて残り5周の77周目には-0.6秒まで追い上げてきた。しかし、79周目の1コーナー進入で周回遅れの車両との接触を避けようとしてダートに入ってしまい追い上げは終了となり2位でチェッカーを受けた。


ピットウォールに上り、チェッカーを受けた羽根をねぎらう。 (Photo by Yazoo)